ニコンD3の登場はモーターショーの取材現場も変えた
ニコン 初のフルサイズCMOSセンサー搭載のD3、それに続くD700の登場は、モーターショーで使われるカメラのメーカーシェアを一変させたといっても過言ではない。
昨年、いや今年春のニューヨークショーやジュネーブショーではキヤノンの機材を使用していたカメラマンがほとんどだったと記憶しているが、先頃開催されたパリモーターショーでは、「こんなにニコンユーザーがいたのか」と思うほど増えた。ブラックとイエローのストラップが妙に目立つこともそう思わせる一因かもしれない。ともあれ、それほどニコンの躍進はめざましいものがある。
モーターショー取材の場合、暗い室内での撮影が強いられるため、ISO3200でも常用できるD3/D700の低ノイズは大きな魅力のようだ。先頃発表された5D Mark IIでキヤノン陣営はどれだけ盛り返せるか、それともソニーのα900がこれらに割って入るのか、自動車マーケットさながらの一眼レフデジカメの激しいシェア争いも気になるところだ。
◆C vs N戦争どこ吹く風で
ところで筆者は、この夏、自費でデジタル一眼を購入した。買ったのはCでもNでもない、PENTAX『K20D』だ。西新宿の某カメラ専門店で、ボディ本体とDA 16-45mm F4、バッテリーグリップ(D-BG2)とのセットで購入。以来、新車発表やインタビューなどの取材には、K20D+D-BG2+DA16-45mm F4(ポートレートではFA50mm F1.4も)+AF360FGZという構成で臨んでいる。
同クラスにはキヤノンのEOS 40D/50DやニコンD80/D300という中級モデルも存在する。にもかかわらずなぜK20Dか、というといくつか理由がある。まず、いままで使っていたのが同じくPENTAXのエントリー機『K100D』だったので機材周りをそのまま引き継げること、また以前のレポートでK20Dデモ機を借用し、その特徴や実力を知っていたことも挙げられる。
また、暗所での撮影は多いものの、動きものを撮影するシチュエーションはほとんどないため、AWBやAFが確実であれば連写性能や動体予測などをシビアに追い求める必要がないこともあるだろう。K100Dでは基本性能(特にAWB)の部分で少々厳しかったが、K20Dではおおむね満足できるレベルに仕上がっており、新しくボディを買うにあたってマウントを変更する必要性を感じなかった。
もうひとつの大きな決め手は、レンズやアクセサリーを含めたトータルなコストパフォーマンスだ。ボディもさることながら、やはりレンズもある程度は買いそろえたい。手持ちのレンズはSIGMAの17-70mm DG F2.8-4.5と70-300mm F4-5.6、PENTAX DA 16-45mm F4、さらにFA 50mm F1.4といずれも非常にリーズナブルなレンズながらひととおりの画角は揃えたので、そろそろ次のステップに進みたい。と同時に、お散歩カメラとしてもプライベートで持ち歩くので、軽くて小さい単焦点レンズのラインナップが揃っていて、なおかつそれが個人でも購入しやすい価格帯で収まってくれると望ましいところ。PENTAXはそんな(わがままな)要望にも応えてくれる商品構成を整えつつある。