2 | アジアの星 |
インドのムンバイを訪問する人の多くはタージマハールホテルを訪れるが、そのメルヘンチックな佇まいに惹かれて、宿泊を試みる人もいる。
14年前の筆者もその一人であったが、予約で満杯とのことで試みは不発に終わり、インド人からは「300円で1か月暮らせるのに、もったいない」と泊れなかったことを慰められた。後で、宿泊料がニューヨークの超一流ホテル以上であると知り、流石に「アジアの星」と呼ばれる高級ホテルだと納得したものだ。
最近、インドのタタ・モーターズが、世界最安のクルマ『ナノ』を発表して注目を集めた。また、ジャガーとランドローバー・ブランドを米フォードモーターから買い取ったニュースが世界中を驚かせた。それだけではなく次に、イタリアのカロッツェリア、ピニンファリーナに資本参加するともいう。
タタ・モーターズの創設は1945年と歴史は浅いが、インド最大の財閥であるタタ・グループに属し、商用車部門では世界5位の規模を誇っている。また、乗用車にも力を入れ始めている、新進気鋭の会社だということだ。
タタ・グループは、19世紀半ばの英統冶下に製鉄所を建設したのが始まりで、創始者ジャムシード・タタはタージマハールホテルを作ったことでも知られている。タタ・モーターズが親会社となるジャガーから、世界を驚かすようなクルマが誕生しそうな気がしてくる。