1 | 3ボックスセダン復権の目論み |
2007年フランクフルトショーでワールドプレミアを果たした新型『マツダ6』=日本名『アテンザ』は、08年1月になってやっと日本で発表となった。新型アテンザは、初代と同様、セダン、スポーツ、ワゴンの3車型を持ち、ボディやエンジンを少しサイズアップしている。
2002年に誕生した初代は、世界で約131万台を超す台数が生産されたヒット作。しかし、国内は僅か10万台と少なく、新型は欧州のカーメーカーを意識した商品企画となっているようだ。
『デミオ』を拡大したようなデザインは、マツダデザインを主張できるメリットはあるが、独立したフロントフェンダーアーチと、ウェッジの強いキャラクターラインとを組み合わせたデザインは、ボディの前後を分断して、クルマを短く見せる欠点もある。取り回しのよさをアピールするデミオで成功しても、風格を重んじるフラグシップカーとしては成否の判断が分かれる。
欧州のカーメーカーは、コーポレートアイデンティティを大切にするので、同じデザインテーマを使う例は多いが、日本のカーメーカーでは珍しい。国産3ボックスセダンが不調のなか、欧米ターゲットの3ボックスセダン復権の試みが成功すれば、国産3ボックスセダンのデザインに光が見える。