新日本石油は、環境性と快適性、経済性を兼ね備えた「住宅用総合エネルギーシステム」の開発・実証に着手し、その事業化に向けて「ENEOSわが家で創エネ」プロジェクトを発足した。
地球環境問題への対応として家庭部門におけるCO2削減も課題となっているが、家庭でのエネルギー使用パターンは、地域性、家族構成、ライフスタイルなどによって大きく異なる。
今回のプロジェクトは、こうした異なる使用環境に対応し、顧客ごとに最適な「住宅用総合エネルギーシステム」の開発・実証に取り組み、2010年度に商品化を目指す。
具体的には、住宅設計・エネルギー管理・エネルギー機器の各専門家の協力を得ながら、横浜市に建設する住宅に家庭用燃料電池システム「エネファーム」、潜熱回収型石油給湯器「エコフィール」などの高効率石油・ガス機器や太陽光発電、太陽熱温水器などの自然エネルギー機器、住宅内のエネルギー機器や家電機器のエネルギー使用状況の見える化や制御を行う「ホームエネルギーマネジメントシステム」などを設置し、使用環境に応じた各種エネルギー機器の効果的な組み合わせとその最適な利用方法を検証する。
この住宅では、高断熱・高気密化による住宅性能の向上、高効率石油・ガス機器の利用、生活者の省エネ行動の実践により、CO2排出量を1990年比50%削減、さらに太陽光発電によるエネルギーの創出により実質的なカーボンフリー(CO2排出量ゼロ)を目指す。
同社はプロジェクトを構成するエネルギー機器に関して、2008年度中に三洋電機製太陽光発電システムの試験販売を開始し、2009年度からはLPG、灯油、都市ガスを燃料とする家庭用燃料電池システム「エネファーム」を本格販売する。