2 | 外国人ピッツェリア急増中 |
ミニ知識としては、日本でよく報道されるように空中で生地をクルクルやる職人は、今日イタリアでは「選手権」の類以外一般的ではない。麺棒を使って延ばす。
いっぽう、イタリアンレストラン業界全体に、ちょっした異変が起きている。外食習慣が衰退しているのである。背景にあるのは、過去12年で最悪といわれる前年同月比3%台のインフレである。
5月に発表された消費者団体コルディレッティの最新調査によれば、イタリア人の1/3以上が昨年1年間に「一度も外で夕食をとらなかった」という。幸いなのは、逆に「外食した」と答えた人のうち79%がピッツェリアを「好みの店」と答えていることだ。普通のリストランテよりも、まだ出費が抑えられるためだろう。
そんなイタリアのピッツェリアで、ここのところ増えているのは、外国人経営による店である。
ピザ職人の仕事はハードで、たとえ若年層の失業率が高くても「我こそは」というイタリア人が減っている。そのため切り売りのテイクアウト・ピザを中心に、外国人が営む店が増えているのだ。国籍的にはアラブ・中東系が多い。