「ジャガーはタタの傘下に入っても、今までと何も変わりません。ジャガーを買収したタタは、買収した企業をことごとく最大限成長させてきたという実績があります。買収を発表した3月26日、私たちはそれまでの数か月間の不透明な時期から抜け出すことができたと言えるでしょう」
ジャガージャパンのデービッド・ブルーム社長は4月10日、新型スポーツセダン、ジャガー『XF』の発表会場で、ジャガーの今後についてこのように語った。
今年3月26日、自動車、鉄鋼、重電など、多数の企業を抱えるインドのコングロマリット、タタ財閥がフォードモーター傘下にあったイギリスの自動車メーカー、ジャガーおよびランドローバーを買収すると発表。「旧宗主国であるイギリスの企業を旧植民地のインド企業が支配」といったセンセーショナルな論調で、世界のマスメディアが報じたのはすでに広く知られているとおり。
ジャガーのオーナーや、ジャガーの購入を考えているコンシューマーにとっては、そういったパワーゲームの話題より、ジャガーがこれからも高級車メーカーであり続けることができるのか、もっと平たく言えば、車を作り続けることができるのかということが目下最大の関心事であろう。ブルーム氏の発言は、そのような人たちに対するメッセージといえる。