【中国取材】徹底された“トヨタ式”で、合理的かつ質の高いサービス部門に

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◆15分単位で作業を管理。スペースと人員の運用を効率化

車の修理やメンテナンスなどを行うディーラーのサービス部門。新車購入時にはあまり気にすることはないが、ひとたびオーナーになれば愛車が定期的にお世話になる場所である。それだけにサービス部門のクオリティは、車の購入後満足感、ひいては顧客満足度に大きく影響する。

中国におけるレクサスおよびトヨタのディーラーでは、サービス部門の業務にも「e-CRB」を活用している。

サービス部門で使用するe-CRBの機能は「SMB (Service Management Bord)」と呼ばれており、ここでは作業スペースとスタッフ、そして作業を行う車のスケジュールについてリアルタイムで管理されている。

作業スペースごとに設けられた枠に、15分単位でマスが設定されており、現在時間が赤い線で表示されている。車のメンテナンス予約が入ると、作業スケジュールを表したタスクと作業内容を示すアイコンが入る仕組みだ。このSMBの管理画面は、サービス部門にある大型のモニターのほか、e-CRBに接続されたPCで表示可能であり、現在の作業状況や今後の予約状況について一目で把握できるようになっている。

「SMBはe-CRBの一機能ですので、例えば入庫予定の車のオーナーさんから到着が遅れるとCRスタッフに連絡があれば、即座に作業スケジュールや利用予定だった作業スペースの割り当てを変えることができます。そして、この情報はリアルタイムでサービス部門にも共有されるのです。

また、逆に作業時間が当初の予定より長引けば、そのタスク表示は赤く表示され、マネージャーや他のスタッフがすぐわかるようになっています。作業が延びた作業スペースで次の入庫予約がある場合は、別のスペースに再割り当てするなどの対応がスムーズにできるのです」(トヨタ自動車e-TOYOTA部部長の友山茂樹氏)

取材中にもSMBの表示は刻々と変わっており、新たな入庫予約や予約時間の変更、作業延長によるスケジュールの再割り当てなどがリアルタイムで行われていた。


◆効率的かつ確実な作業を支援する「システム台車」

サービス部門における効率化の工夫は、SMBだけにとどまらない。メンテナンス作業そのものにも及んでいる。

その中でもユニークな試みとなるのが、中国のレクサスおよびトヨタディーラーに配備された「システム台車」だ。これは一種の可搬型作業台であるのだが、作業内容に合わせて必要な工具や部品、作業マニュアルなどが"パッケージ化"されており、メンテナンス内容にあわせて迷うことなくスムーズな作業ができるようになっている。

「我々は『システム台車』もe-CRBを構成するシステムと位置づけていまして、この設計から制作まで(子会社の)ペキン・メディアテクニカルソリューション(BMTS:Beijing Media Technical Solution、以下BM)で行いました。これもまた、トヨタが長年培ったノウハウのかたまりなんです」(友山氏)

システム台車のメリットとしては、作業時間の短縮やミスの防止など多々あるが、その中でも大きいのが「ベテランのスタッフでなくとも、迅速で確実な作業ができること」(友山氏)だと話す。

レクサスや広汽トヨタでは、優秀なスタッフの確保と教育に力を入れているが、モータリゼーションが急拡大する中国市場のこと。メンテナンススタッフ全員がベテラン揃いというのは難しい。しかし、システム台車が支援することで、ベテランに達していないスタッフでもクオリティの高いメンテナンスが可能になっているのだ。


◆お客様にも“見える化”するCSボード

このようにレクサスおよび広汽トヨタのサービス部門では、e-CRBによって徹底した情報管理が行われているが、これによるベネフィットは愛車を預けたオーナーにもある。

メンテナンスを受けている間、よほどの長時間作業でないかぎり、オーナーは居心地のいいラウンジで愛車の仕上がりを待つことになる。ここで愛車の情報をリアルタイムに知らせるのが、「CSボード」である。

CSボードは入庫中の車の作業状況を表示するもので、e-CRBに繋がっている。画面上には、入庫中の車種とナンバー、作業状況および終了見込み時間が表示されており、オーナーはラウンジでくつろぎながら、「作業がいつ終わるか」を確認できるのだ。e-CRMが、レクサス流(広汽トヨタも対象であるが)の心配りとおもてなしに活かされているのである。
《神尾寿》

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