「生まれて一番最初に知ったスーパーカーが『スカイライン GT-R』で、レースを始めてその『GT-R』でチャンピオンを取って、まさかこの日産GT-Rの開発を担当できるとは思っていませんでした」とレーシングドライバーの影山正美選手。
『NISMO FESTIVAL at FUJI SPEEDWAY』(2日、富士スピードウェイ)で行われた「NISSAN GT-R ディスカッション」。参加者は、日産自動車車両開発主管兼チーフ・プロダクト・スペシャリストの水野和敏氏と、開発テストドライバーの鈴木利男氏そして影山選手だ。
GT-Rの開発ドライバーは5人おり、スポーツオプションの開発など、ユーザーの立場でサーキットを走るための開発をしているのが影山選手である。
影山選手のような現役のレーシングドライバーの場合、速さが求められるような気もするが、水野チーフの狙いはそこにはなく、ユーザーが楽しめるスポーツパーツを開発してほしいのだそうだ。
影山選手は「歯車のひとつとして徹しています」という。パーツを何か変えたときに、その違いをデータとして出すことが自分に課せられた使命だと語る。
水野氏は「絶対に勘違いしてはいけないのは、僕らの仕事はお客様のためであって、僕らが満足することではない。お客さんが買って乗ってくれたときに感動してもらうために僕らは仕事をしている。レーシングドライバーからすると、そこは何か少し違うところかも知れないよね」とコメントしていた。
影山選手はGT-Rを「今年の前半からテストに参加させてもらったのですが、その時点でかなり完成された状態で、非常に驚きました。まっすぐも速いし、よく止まるし、よく曲がる。タイムにも現れているように、現在最高のクルマだと思います。これは、おべっかでもなんでもないです」と評価する。
「星くず程度の力にしかなれなかったけど、本当にいいクルマ、最高のクルマです。ぜひローンを組んで買って下さい」