【フォード『Sync』インタビュー】「デジタルデバイスのハブとなり、インターフェイスとなる」フォード社ケビン・ケリング氏

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2007年1月7日デトロイトモーターショー、円形ホールCOBO ARENAを借り切ってフォードのアラン・ムラーリ社長によるプレスブリーフィングでがおこなわれた。そこでのゲスト、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が、ラスベガスからの生中継で宣言した。「フォードとマイクロソフトのコラボによる『Sync』を秋の新型車から展開してゆく」。その約束の秋がやってきた。フォードは12台の08年イヤーモデルに『Sync』を搭載し、ここカリフォルニアでも「Street Sync」と呼ぶ一大キャンペーンを展開中だ。フォード・マーケティングストラテジーマネージャのケビン・ケリング氏に『Sync』について質問した。

---『Sync』とは特定のハードウェアを指すのか、またはコンセプトの名称なのか

ケリング) 『Sync』はメディア・プレイヤーやBluetooth対応の携帯電話といったデジタルデバイスの車内での利用を助けるソフトウェアのプラットフォームの名称だ。フォードの車内に配備された専用小型コンピュータがデジタルデバイスのハブとなりインターフェイスとなると考えてほしい。

---『Sync』の具体的な機能を訴求する優先度順に教えてほしい。

ケリング) 『Sync』には主に3つの機能がある。まず重要なのはユニバーサル・デジタル・メディア・プレーヤーとしての機能。これはアップルのiPodやマイクロソフトのZune、その他USBドライブにデジタル録音した音楽を再生する機能だ。

2つ目が、車内での携帯電話ハンズフリー通話をサポートする機能だ。受信はもちろんのこと、ボイスコマンドを使えば、電話に登録したコンタクトリストの名前を言うだけで発信することも出来る。

最後は、携帯電話の通話機能との組み合わせによるテキストメッセージの管理だ。運転中にメールを受信すると、『Sync』が受信したテキストメッセージを音声化して読み上げるという機能。この3つが『Sync』の主な機能だ。

---同じく『Microsoft Auto』プラットフォームを採用している欧州のフィアットは、PNDと連携する『Blue&Me Map』の投入を予定しているが、Syncがナビゲーション機能を取込む予定はあるのか。

ケリング) その予定はない。フォードはナビゲーションを『Sync』の一機能として位置づけておらず、カーナビゲーション自体、ビルトイン型のものを現在フォード、リンカーン、マーキュリーのほぼ全車に装着できるよう設定されているからだ。

---『Sync』はGMの『OnStar』に対抗するフォード流のアプローチなのか。

ケリング) 両者はまったく異なる特性、特質をもったものだ。ということで答えになるだろうか?『OnSTAR』は電話通信とそれに付随するコンシェルジェサービスと考えられ、しかも有料だ。それに対し『Sync』は他に多くの機能と可能性を備えている。音楽プレーヤーをマネージし、携帯電話をマネージする等、ユーザーが既に持っているデジタルデバイスを、車内で機能させることに集中、特化している。

--- 『Sync』はフォード、リンカーン、マーキュリーといったブランドで展開することがアナウンスされているが、フォードグループ内の他のブランドでの展開予定は?PAG(ボルボ、ランドローバー、ジャガー)は無いかもしれないが、マツダはどうか。

ケリング) 『Sync』はこの秋に“北米で”“フォード、リンカーン、マーキュリーに搭載開始する”ということに照準を合わせてきた。また、現時点で以後の展開計画はなにも承認されていない。

---欧州フォードでは『Sync』を展開していないが、単純に時間差なのか?それとも北米市場と欧州市場では、アプローチを変えるべきだと考えているからなのか。またアジアや中南米、中東などその他の市場についてはどうか。

ケリング) 繰り返しになるが、『Sync』は北米での展開開始に照準を合わせており、これからの展開については、承認されたこと、アナウンスできることは現時点ではなにも無い。

--- 『Sync』はフォード、リンカーン、マーキュリーすべてのクルマ(低価格車から高級車まで)に搭載されるのか。

ケリング) 『Sync』はリンカーンブランドのクルマには全車標準装備する。フォード、マーキュリーについては、たとえばフォード『SES』『トーラスLimited』といった特定車種には標準装備し、他の車種にはオプション設定となる。結果として北米で販売されるフォード、リンカーン、マーキュリー全車の50%に装着することを目指している。

---フォードが『Microsoft Auto』プラットフォームを採用するにあたって決め手となったのはなにか。何を評価したのか。

ケリング) 『Sync』がデジタルデバイスと繋がるためにはハード(USB端子/Bluetooth無線)よりもソフトウェアが重要だ。ボイスコマンドよる操作や様々な機種との互換性を保つためにはソフトウェアの力を借りなければならない。マイクロソフト社のPC用のOSは、デジタルデバイスとの接続性で豊富な実績がある。彼らは『Sync』上でデバイスを有効にするソフトウェアプラットフォームのシステム構築を担当してくれている。

---フィアット『Blue&Me』は、マイクロソフトやウィンドウズのロゴやブランドを全面に押し出しているが、『Sync』はどうか。

ケリング) 確かに『Microsoft Auto』を基盤にしているのだが、我々は『Sync』そのものを車載デバイスとして確立したブランドとして展開し、浸透・普及させることを目標にしている。

---Bluetoothを利用して携帯との連携ができているが、データ通信を行なうようなサービスの展開はあるのか。また、ユーザーの選択として、携帯電話との接続ではなく、内蔵通信モジュールを用意することは考えられるか。

ケリング) 『Sync』は電話ではないし、また通信機器そのものとしてのサービスを行うものではない。したがって、『Sync』自体が、交通情報や天気予報などの情報提供を行うこともしない。あくまでもユーザーの保有する携帯電話の機能をクルマの中で安全に快適に作動可能にするものだ。

---『Sync』ではボイスコマンドは重要なインターフェイスだが、認識率など過去の商品でのボイスコマンドがもつ欠点をどのように克服したのか。

ケリング) この18ヶ月のあいだに音声認識のテクノロジーは大きく進捗している。たしかに、過去、音声コントロールは認識率の問題を抱えていたが、現在はこれらのシステムの精度は大きく向上しており、『Sync』はその恩恵に与ったというところだ。

《ケニー中嶋》

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