三菱『ランサーエボリューションX』(1日発表)のフロントフェンダーには、縦長のエアアウトレットを標準装備している。
しかし市販車の場合は、高額な高性能車においてもフェンダーのアウトレットは「見た目だけの飾り」で終わることが少なくない。そこで、エボXではどうなっているのか開発スタッフを直撃してみた。
「形だけでは許してもらえませんよね、ランエボですから」というのは、ランエボを知り尽くしている商品開発統括部門C-seg商品開発プロジェクトの一樂浩(いちらくひろし)さんだ。
「レースカーなどの場合はホイールハウス内の空気を逃がす役割を持たせることが多いです。しかし、市販車でそれをやると(排出した空気により)ボディサイドが泥だらけになってしまうのでやりませんでした」
「最近のクルマは歩行者保護との兼ね合いで、エンジンルーム内のフロントフェンダー沿いには空間があるんですよ。その空間をダクトとして利用し、エンジンからの熱気を効率よく逃がすアウトレットとしてしっかりと機能を持たせています」
見た目だけじゃなく、機能を盛り込んでいる。一般的には飾りで終わるフェンダーのアウトレットひとつとっても、ランエボのエクステリアには意味があるのだ。