トヨタのファミリーセダン、新型『プレミオ/アリオン』(4日発売)。旧型がデビューした2001年12月から数えて5年半ぶりのモデルチェンジとなる。フルモデルチェンジはおおむね、新技術投入型と商品力向上型の2つのパターンに大別される。今回のプレミオ/アリオンのフルモデルチェンジの目的は後者。
サスペンションやフロアパネル、ピラー構成など車の骨格は旧型モデルのものを継承。モデルチェンジのリソースの多くが、内外装の質感やデザインのブラッシュアップに割かれている。
もっとも、ハードウェア面の充実がおざなりにされたわけではない。エンジン、変速機などのパワートレインが刷新されたほか、ボディにもいくつかの変更が加えられている。最大の変更点は、リアまわりの構造。新型は旧型に引き続き、リクライニング式シートバックと大型トランクスルーを装備しているが、商品力向上のためシートバックの可倒部分は大幅に広げられた。
シートバック裏の部分は、ボディ剛性を確保するのに重要な部分で、単に可倒幅を広げると、剛性の低下を来してしまう。そこで、「これまではトランクと室内の仕切板をボディ側面のインナーパネルと接合していたのですが、工法を工夫してストレーナーと呼ばれる補強部品をインナーパネルとアウターパネルの間のモノコック断面に配置するという方法を考えました」(トヨタ関係者)。
この処置により、剛性確保には不利な要求仕様を満たしながら、旧型モデルと同等の剛性を確保することができたという。リクライニング機構、大型トランクスルーは旧型プレミオ/アリオンでも人気の高かった装備。それらの機能をさらに進化させることができた裏には、こうしたエンジニアの工夫の積み重ねがあったのだ。