プジョーといえば“猫足”という言葉に象徴される乗り心地のよさが特徴だったが、新しい『207』ではけっこう硬めの乗り味が印象的だ。
とくに低速で路面の荒れたところを走るときなど、硬さが気になる感じだった。逆にワインディングを一定のペースで走るときには高いタイヤの接地性が感じられ、プジョーの足回りのよさをしっかり体感できた。
BMWとの共同開発によるエンジンは滑らかな吹き上がりが身上。BMWがバルブトロニックと呼ぶ可変バルブ機構はスムーズさを実現すると同時に燃費にも貢献している。
ただATが4速なのはやや不満。MINI搭載の6速とまでいわないまでも、今どきのATならばせめて5速タイプを搭載してほしいところだ。
ターボ仕様のエンジンを搭載するGTは、5速MTのみの設定。低速域から段差なくパワーが盛り上がり、気持ちよく加速していく。こちらもトランスミッションが5速MTのみというのはやや辛いところ。今の若いユーザーはAT免許が常識になっているからだ。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
松下 宏| 自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。