いすゞの主力モデル、新型『エルフ』は、2007年に施行される新免許制度を強く意識したモデル体系となっているのが特徴だ。新免許制度のトピックのひとつは、中型運転免許の新設。
現行制度下では普通免許で車両総重量8トン未満の貨物車を運転可能で、それ以上は大型免許を要する。新免許制度がスタートした後は、普通免許で運転可能なの車両は総重量5トン未満に制限され、中型免許が5トン以上11トン未満、それ以上が大型免許の範疇となる。
現在、普通免許を保有しているドライバーは、新制度がスタートしてからも8トン未満限定の中型免許を保有しているとみなされることになっているが、今後は若年者が普通免許を取得してトラックドライバーになる場合、総重量5トン未満車までしか運転できないことになる。
この5トンという区分けが実は結構なクセモノで、積載量2トントラックでもボディ形状や装備によって総重量5トンを少し超えてしまうケースが相当ある。
いすゞは新型エルフの開発にあたり、エンジンの小型化と車体の軽量設計の両面で軽量化を果たしてきた。パワーパッケージは旧来の4.8リットルターボディーゼルより格段に軽く、ボディに至っては旧型比約200kgも軽量化。それによって、従来に比べてはるかに多くのボディを総重量5トン未満に抑えることが可能になった。
全幅1.7mクラスの標準キャブ、全幅1.8mクラスのハイキャブは最大積載量2−2.5トンの範囲でロング平ボディ、ドライバンなどさまざまなボディ形状に対応しているほか、全幅2mクラスのワイドキャブについても普通免許対応モデルを用意している。普通免許対応は、運送業者のトラック選定を大きく左右するとみられているなか、新型エルフは2−3トントラックナンバーワンの地位固めをさらに進めることになりそうだ。