40年にわたる歴史を踏まえた10代目。フルチェンジなのにサイズアップしなかった見識はみごと。それでもフロアを平らにして心理的なひろびろ感を演出したのは努力賞モノだ。
ほぼ全車種CVT化したが、これと1.5リッター、1.8リッター(新設計)エンジンのマッチングも非常によい。一部車種の残された5速MTよりカタログ燃費がいいのは史上初。それを示すために、わざとMTを残したか?
サスペンションは快適性優先だが、基本的なしっかり感は先代を上回る。誰がどう運転しても安心できる仕立てだ。
いっぽう、ちょっとスポーティ感覚を表に出したのがワゴン版のフィールダー。座った途端、シートの感触も若々しいのがわかる。エンジンも変速機もセダンと共通だが、かなり本気でコーナーを攻めてもパシッと気持ちよく踏ん張る。先代に引き続き上級版エアロツアラーに装着されるパフォーマンスダンパーは、段差やコーナリングで大きな力が加わったとき、微妙に変形を減衰して上品な味わいを出す。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★★
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。