3 | あの「瞬間芸」 |
食後のお楽しみは、ツリーの下に置いておいたプレゼント交換である。昨年のことだ。ボクあてのプレゼントを見つけた。友人のファビオ医師からだった。
開けると、木製のおもちゃが入っている。器用な医師は、余暇を利用した木工を趣味としているのだ。リアウィンドーがクリフカット、つまり逆反りになっている。まさか医師がマツダ初代キャロルを知っているはずがない。ボクは、とっさに「おっ、ルノー『メガーヌ』っすね」と言った。
すると医師は一瞬ムッとしてから、「WiLL『Vi』!」と叫んだ。そう、あのWiLL Viである。6年前彼が日本旅行をしたときだ。ボクが連れて行った東京のアムラックス・トヨタで、WiLL Viは当時スター的存在だった。彼は東洋の大都市・TOKIOの思い出とともに、あのトヨタの瞬間芸をしっかりと覚えていたのだ。