トヨタ自動車渡辺社長 事故防止の本気

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トヨタ自動車渡辺社長 事故防止の本気
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「社長自ら交通事故防止のキャンペーンに登場するのは、本当に異例のことです」。自治体関係者の一人は、トヨタ自動車渡辺捷昭社長の登場に驚いていた。

愛知県など自治体と愛知県警察は、交通事故死「ストップ・ザ・ワースト」ファイナル100日作戦を展開中だ。今年も残すところ1カ月となり、11月29日に多発地帯の西三河地区で「ラスト1月キャンペーン」が実施された。

交通安全の地元イベントに、世界屈指の自動車産業のトップが参加することは、まずない。トヨタ自動車が本拠地を置く愛知県豊田市とその周辺の西三河地区は、そうしなければならないほど交通事故死亡事故が多発しているのだ。

「トヨタ自動車が目指す人を傷つけないより安全なクルマ作りと、ITS(高度交通システム)などを利用した交通環境作り、そして、乗る人や歩く人の意識作り。この三位一体で死亡事故ゼロを目指すだけでなく、交通事故そのものをもっと少なくしたい」

挨拶に立った渡辺社長は多弁だった。

「私の理想は、安全と環境に配慮したクルマ作り。歩行者にも乗る人も傷つけない安全性と、乗れば乗るほど空気のきれいになる、それでいて1回の給油でアメリカ横断もできるような燃費のよいクルマです」

渡辺氏は社長就任前にITS担当だったこともあり、交通安全にはとくに関心が高い。

同社は、1960年代から独自の安全啓発活動を行っている。社内でも事故防止の独自の取組みを行っている。全社的な年間標語を立て、社内のイントラネットで自己啓発のプログラムを配信、社員自らが豊田市内の街頭に立った安全啓発を実践するなど、数々の取組みを行ってきた。それにも関わらず、交通事故死亡者全国一の元凶が、足下で多発している。

国道155号線での啓発活動は、信号待ちで停車した車両にチラシを配布して注意を呼びかけるものだった。信号待ちの車両を待ちかまえるだけでは、ほとんどチラシは減らない。信号待ちの短い間に渡辺氏は後方に続く車両に小走りに走り、1台でも多くの車両にチラシを手渡そうとした。

そして、イベントを終えて帰るクルマの中で、社内標語である「後席シートベルトの着用」を実行して、見送る人々にこう言った。「みなさん、後席シートベルトしていただいてますか?」
《中島みなみ》

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