【池原照雄の単眼複眼】最高益続出で相次ぐ中期計画の前倒し達成

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◆円安の追い風はあったが、実力も…

自動車各社の9月中間決算が15日に出揃う。乗用車8社のうち5社が連結営業利益で最高を更新、業界全体として極めて好調な業績が持続している。通期業績予想では中期経営計画を前倒し、あるいは大幅な超過でのクリアが確実になったケースも相次ぎ、これらの企業では体質強化が想定以上のテンポで進んだことを示している。

今年度の経営環境は、期初に鋼材から非鉄金属などに波及した原材料費の高騰が暗雲となって立ち込めた。国内市場も登録車から軽自動車へのシフトが止まらず、総需要は減少で推移している。

しかし、各社の海外市場開拓は原油高で燃費性能の高いクルマが注目されたこともあって着実だった。それに円の対ドル、対ユーロ安が追い風となって最高益の続出につながった。円安は原材料高騰を帳消しにしてオツリが来たものの、原価低減や市場開拓といった各社の実力も評価できる。


◆売上高3兆円を3年前倒しするスズキ

好業績は中期の経営計画達成を手繰り寄せることにもなった。小型車シフトが鮮明なスズキは、2005年度から09年度までの「中期5カ年計画」を推進中だが、最終年度の目標のひとつであった売上高3兆円は、2年目の今期で早々に達成される見通しとなった。

同計画では経常利益1500億円と同利益率5%以上も目標となっているが、これらも3年目の07年度でのクリアが視野に入ってきた。

今年度までの3カ年で「マツダモメンタム」に取り組んできたマツダは、最終年度の目標であった営業利益1000億円は、すでに前期に到達した。今期予想は1480億円と、約1.5倍の上乗せで締めくくる。

唯一、世界出荷125万台の目標は7万台少ない118万台で未達となるが、ブランド力強化のため、あえて台数を追わない方針を徹底した結果だ。大幅な利益超過で体質強化を優先させる余裕すら出てきた。


◆正念場は次期中期計画

トラックメーカーではいすゞ自動車が、「成長への布石と積極投資」(井田義則社長)をキーワードに05年度から3カ年で推進している中期計画の目標すべてを今期中に達成する見通しとなった。

売上高は目標の1兆6000億円に対し1兆6300億円、営業利益は目標と同額の1000億円。「6%以上」を掲げていた売上高営業利益率も6.1%の予想だ。

マツダといすゞは来春に、新たな中期計画内外に提示する。両社はバブル崩壊後、経営危機を繰り返してきただけに、次期計画では「外部要因にも揺るぎない体質」(井田社長)の確立が問われる。
《池原照雄》

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