280psのパワーユニットを押し込み、国際線ビジネスシート並みの安楽空間を持ち込んだのが『エスティマ』の特徴。最上級仕様だけの設定だが、これは斬新な考え方だと思う。ミニバンをVIP仕様として使いたくなるのだから。
もっとも、走りそのものは並みのレベルだ。そこはそこ高重心ミニバンの限界のようで、カーブでは上体がグラッとするし、重量増を打ち消すほどのパワーでもない。エンジン音もややがさつだ。
走りそのものよりも、やはりゆったりと後席でくつろぐべきモデルなのだろう。移動式応接室。そんな印象である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★★☆
木下隆之| モータージャーナリスト
プロレーシングドライバーにして、大のクルマ好き。全日本GT選手権を始め、海外のレースでも大活躍。一方でカー・オブ・ザ・イヤー選考委員歴は長い。「ジェイズな奴ら」を上梓するなど、作家の肩書きも。