【伊東大厚のトラフィック計量学】e燃費データでみるマイカーの燃費 その2

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【伊東大厚のトラフィック計量学】e燃費データでみるマイカーの燃費 その2
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気温の燃費への影響は最大10%

夏の暑さも一段落し、台風シーズンの到来である。御存知のとおり、暑い時期や雨天時などに使うエアコンは、燃費を悪化させる。気温に代表される気象条件は、どの程度、燃費に影響するだろうか。

図は、2001年、2003年、2005年の実走行燃費の月別平均値(給油記録毎の燃費を単純平均した値)と日本の平均気温の関係を月別にプロットしたものだ。01年から05年にかけ、平均燃費が全体的に向上するのは、前回紹介したとおり、燃費の良い新車に代替したためである。

新車代替の影響を除くため、同じ年でみると、15℃(春や秋に相当)と25℃(夏に相当)、5℃(冬に相当)はだいたい6−7%、最大10%近く悪化している。夏は、エアコンが原因であることは明らかだ。冬は、暖機運転が長引くことや、低温でエンジンが温まるまで時間がかかるためだ。

◆運転中も“クールビズ”

エアコンの燃費への影響は少なくない。仮に、6−8月の3カ月間エアコンを使わず、8%燃費が改善したとすれば、年率換算で2%燃費が良くなる計算になる。前回紹介したように、運輸部門のCO2排出量は、目標まであと4.4%まできている。2%は、目標の半分近い。

しかし、夏、エアコンを使わないのは不可能だ。“我慢の省エネ”は長続きしない。軽装によって冷房温度を28℃にしようという政府キャンペーン“クールビズ”は、主にオフィスを指している。運転中も、なるべく設定温度を上げるなど、エコドライブに取り組もうではないか。

◆異常気象でCO2が増加

04年夏の猛暑や台風、05年12月の厳冬・大雪の例を挙げるまでもなく、近年、異常気象は当たり前になってきた感がある。猛暑や厳冬は、自動車に限らず冷暖房の使用量が増え、CO2も増加する。今後のCO2排出量見通しには、異常気象の考慮も必要になるかもれない。

《伊東大厚》

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