日本のモータリングカルチャーにぴったりのミニバン。それを代表するのが『ステップワゴン』だ。
デザインは別にこれといった光るものがないものの、外観はすっきりしている。どう考えても室内の特徴、つまり床と天井が今回のモデルのもっとも重要な売りのポイントだろう。
傷やシミに強いフルフラット・フローリングは、大変広々した雰囲気を感じさせる。室内が妙に明るいと思ったら、見上げるだけで秘密がバレる。合わせガラスを用いた格子状のグラスルーフが陽射しをそのままキャビンに照らし出す。まるで走るリビングルームみたいな感覚だ。シートアレンジも賢い。
カーメーカーがエンジンラインアップを考えるときに、いつも燃費とパワーの2要素をフォローするが、だいたい排気量の少ないほうが完全にパワー不足になっている。今回もそうだった。
2リッター車は街なかで走るのはじゅうぶんといえるだろうけど、6人を乗せて高速道路をツーリングしようとすると、162psの2.4リッターが必要になってくるはず。ただ、2.4リッターのほうがじつは足まわりが硬くて、不快な突き上げ感が気になった。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
ピーター ライオン|モータージャーナリスト/コラムニスト
60年豪州生まれ。88年から東京を拠点に自動車評論活動を始める。現在、米・英・独・伊・豪・日本など10カ国の有力誌に寄稿。(日本)COTY、(米)『カー&ドライバー』誌「10ベスト賞」、ワールドCOTY賞、国際エンジン賞、各選考委員を務めている。