ブリヂストンは、2005年の国内15工場でのCO2排出量が約70万トン-CO2(※)と、1990年の71万8000トン-CO2を下回ったと発表した。コ・ジェネレーションシステムの導入や燃料転換が予想以上の効果を収めたためで、2010年までに生産事業所でのCO2排出量を1990年レベル以下にするという当初の目標を5年前倒しで達成致した。
同社では、2003年に策定した「環境中長期計画」に基づき環境活動を推進しているが、実施項目の一つに地球温暖化防止策としてCO2排出量の削減を掲げている。具体的には、経団連が定めた「経団連環境自主行動計画」に基づいて生産事業所でのCO2排出量を2010年までに1990年レベル以下にするという目標で、その後にこれを3年前倒しして2007年までの達成を目指して活動してきた。
CO2排出量削減のための施策としてはコ・ジェネレーション(熱電併給)システムを2006年末までに国内の全タイヤ工場(9工場)に導入する計画で、現在タイヤ8工場、化工品1工場、スチールコード1工場の計10工場で稼動している。2006年には東京工場(2基目)と彦根工場への導入を予定しており、これにより導入目標を達成する見込み。また、工場での発電に使用する燃料を、重油から都市ガスへ、あるいはLPG(液化石油ガス)からLNG(液化天然ガス)に替えることにより、CO2の排出量を削減している。すでに、重油から都市ガスへの転換を7工場で、LPGからLNGへの転換を1工場で実施致した。
同社では、今回のCO2排出量削減目標達成にとどまらず、地球環境保護への貢献を一層進めていくため、地球温暖化防止に関する新たな目標の設定とそのための施策を検討していく予定。
※CO2の排出量を重量で表す際、炭素(C)の重量で計算する方法と二酸化炭素(CO2)の重量で計算する方法の2つがある。「−CO2」は二酸化炭素の重量で計算したもの。