4 | 彷徨の果てに |
結局ボクが念願のドライブビールを購入できたのは、我が家から約300km離れたミラノ郊外にある、そのフランス系スーパーだった。ほんとうは、70km離れたところにも、販売していると思われるスーパーがあるのだが、街道からちょっと外れる。だから、出張ついでにこんな遠くで買うことになったのだ。
330ミリリットル入り×2本パックで1.99ユーロ(約280円)。ラベルの絵は、チェッカーフラッグにタイヤ。ベタなデザインに、またまた赤面してしまった。アルコール度は通常のビールが4.6%前後なのに対し、2.5%である。泡は普通にたつ。ただし、一般的なビールほど苦くない。さっそく1本飲んでから運転してみたが、少なくともボクの場合操作に支障はなかった。
ちなみに、この原稿もドライブビールを飲みながら書いてみた。なんとか書き終えたところから見ると、フィジケラが謳うキャッチ「味は豊かに、アルコールはほどほどに」は、ホントなのだろう。
しかし、実はドライブビールには注意書きがあって、前述のイタリア道路交通法のアルコール許容量を超えないであろう量は、330ミリリットル瓶2本までと説明がある。さらに、「節度を守ってお飲みください」と書いてある。“フィジケラ”は、なかなか説教くさい。飲むスピードも節度のうちだとすると、ゆっくり飲まなければいけないことになる。ビールをチビチビやるのはマズい。どうしたらいいのだ。
5 | 究極の販促アイデア |
しかしながらサービスエリアに広告を出しておきながら、そこで売ってないというのは、なんとも商売っ気に欠けたイタリア流である。惜しい。イタリア人の間の知名度も今のところ、まだ低い。
そこでボクは、このドライブビールのために、究極の宣伝作戦を考えた。(1)フィジケラがグイっと飲んでからF1グランプリに臨み、好ラップタイムを出す。もしくは、(2)フィジケラが表彰台に登った暁に、シャンパンメーカーのひんしゅく覚悟で突然ドライブビールをポケットから取り出し、グイっとやる。ゲリラ行動でいいから、ぜひ実行してほしいものである。