大矢アキオ『飲みすぎ注意』…フィジケラ推薦・幻のビール

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 な、なんだ、この看板は!

今年3月、ジュネーブモーターショー取材の帰り道でのことだ。イタリアに入り、アウトストラーダのサービスエリアで屋外広告をふと見上げると、ローマ人F1ドライバー・ジャンカルロ・フィジケラの巨大写真があった。道路交通法に触れない低アルコール・ビールの広告だった。この手の飲料は、けっして昨日今日に始まったものではない。

だが商品名を見てたまげた。ずばり『ドライブビール』。そのあまりにベタな、NOVAの「こども英会話スクール」に通う幼児でもわかるようなネーミングに、ボクは赤面してしまった。

ともかく実物を購入しようと、クルマを降りてエリア内の売店に走った。ところが冷蔵ショーケースにドライブビールは見当たらない。バールカウンターの親父に聞いても、「ねえよ」の冷たい一言で終わってしまった。

以後四百数十km、フィジケラの広告が貼られたサービスエリアを見つけるたび、クルマを止めてみた。東京、総武・中央線各駅停車の黄色い電車状態である。だが商品はどこにもなかった。トスカーナの家に戻ってからも、ことあるごとに女房の買い物にくっついて行っては、さまざまなスーパーでビールの棚を捜索した。でも“フィジケラ”はいっこうにいない。

思い余って、看板に書いてあったフリーダイヤルに電話してみた。イタリアでこの手のお客様ダイヤルというのは、日本では想像できないほど、素っ気ない対応なものである。ボクは、特売品目当てに来たものの売り切れだったことに怒るおばさんの如く、強い語調で迫った。

「あのゥ、おたくの商品、どこにも売ってないんだけど」。すると、青年と思われるオペレーターは、意外にも丁寧な物腰で対応してくれるではないか。電話秘書会社が請け負っているのかもしれない。

お待たせメロディ数分ののち、彼は「シチリア島ならコープ(生協)全店と、スーパー○○全店で売ってます」と言う。あとで知ったことだが、ドライブビールを製造しているのは、イタリア半島の南端ポテンツァのビール会社である。どうしても当初は南部偏重型になるのだろう。

やはりボクが住むイタリア中部で買うことはできないのか? すると、「あ、それから△△なら、とりあえずイタリア全土で買えます」とフランス系スーパーチェーンを教えてくれた。そう、それが知りたかったんだよ。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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