1 | ビール需要も増加中 |
イタリアはフランスと世界首位を争うワイン生産国である。1人あたり年間消費量も世界1位だ。買うばかりでなく、自分でワインを作る人も多い。「自作もの」を客に振る舞うのは、ある種の誇りでもある。
いっぽう、若年層を中心に年々ビール愛飲者が増えていること事実だ。今や大きな街には、『アイリッシュ・パブ』が大抵あって、サッカーのテレビ中継を観ながら、毎晩若者たちがビールを楽しんでいる。
2 | それなりにシビア |
そんなイタリア・アルコール事情だが、クルマを運転する場合はどうか? こちらの道路交通法における許容量は、血中アルコール濃度0.5グラム/1リットルまでとされている(血中といっても実際には、アルコール検知器によってチェックする)。
実はこの値、一般的にはビールジョッキ一杯でも超えてしまうという、それなりにシビアなものだ。1960年代にイタリアのある有名自動車誌が、「運転前にビールを飲むと、神経が活発になって良い」という説を展開したことがあるそうだが、今やそんなことは考えられない。
筆者紹介:大矢アキオ Akio Lorenzo OYA --- 国立音楽大学卒。自動車誌『SUPER CG』(二玄社)記者を経て、96年からシエナ在住。イタリアに対するユニークな視点と親しみやすい筆致に、老若男女犬猫問わず多くのファンがいる。NHK『ラジオ深夜便』における軽妙な語り口も好評。主な著書に『イタリア式クルマ生活術』、『幸せのイタリア料理!』、『カンティーナを巡る冒険旅行』、訳書に『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(いずれも光人社)。 |