●収益性のコミットメント
2009年までに、80万台の販売増をめざしながら、同時に営業利益率を2005年の3.2%、2006年予想の2.5%から、2009年に6%へと引き上げるという目標を掲げた。このコミットメント達成に際して、人員削減は行わないことを、ゴーンCEOは明言。あくまでも、企業効率を向上させることで、収益性を改善する計画だ。
そして、この成長のコミットメントを達成するための4つの施策を示した。
(1)まず、世界を5つの地域に分け、それぞれの地域を担当するマネジメント・コミッティ(委員会)を作り、それぞれの委員会に責任を持たせる。
(2)さらに、それぞれの委員会のメンバーは、同時にグローバルな視点で、世界レベルでの成長を促すことに責任を持つ。
(3)また、1つの車種を担当するプログラム・マネージャーを置き、その車種のライフサイクルを通して顧客の満足を高めることに専心する。
(4)最後に、11のクロス・ファンクショナル・チームを置き、それぞれのチームが、効率の良い経営のありかたを追求し、相互に情報交換を図る。
カルロス・ゴーンCEOは、「ルノーは危機的な状態ではないが、企業体質は弱い」と分析したが、「日産で行ったのと同じような“リストラ”は必要ない」と語り、この3つのコミットメント達成は、人員削減しなくても達成可能であることを強調した。