VW『ポロ』GTIは、現行型の『ゴルフ』GTIにエクステリアが似ているので、走りの方向性も同じかと勝手に想像していたら、実際は少し懐かしさを感じさせる乗り味だった。
ゴルフGTIは現行型になって強靭なボディを手に入れ、200psを発揮するエンジンとDSGを搭載し、FF最高水準のフットワークを実現したリアルスポーツハッチバックに成長していた。
対して新型ポロGTIも足まわりは15mmローダウンし、タイヤも205/45R16とサイズアップされているが、そこまで攻め込んだフットワークではない。標準車に比べれば、引き締まっているが、それほど硬いサスペンションではないので、ロールやブレーキング時の荷重変化を感じながら、楽にクルマをコントロールできる。
それでいながら、限界域はこのサイズのクルマとしては高く、エンジンもパワフルなので、意外に速い速度でワインディングを駆け抜けることもできる。コーナーをヒラリヒラリと、かわしてしまうような軽快な走りは、これぞホットハッチといえるものだ。
フォルクスワーゲンジャパンマーケティング統括部の正本嘉宏さんは「現行型ゴルフGTIがハイパフォーマンスになっていることもあり、軽快感やパッケージという意味では、ポロのほうが今までのGTIらしさを感じていただけるかもしれません」という。
確かにゴルフIVまでのGTIユーザーで、マニュアルに乗っている人なら、DSGを駆使して機敏に走る現行型ゴルフGTIより、新型ポロGTIのほうが走りを楽しむことができるかもしれない。