20cm以上も長くなった新型『Aクラス』。おかげで後席にまともに座れるようになった。そのいっぽう「あんな偉そうな名門が、こんな小型車まで!」と世間を驚かせた先代のような事件性はない。あちらを立てればこちらが立たず、ツラいところだ。
全車CVT化された走りも大進化で、とくにA200はアウトバーンで200km/h オーバーの巡航も平気でこなす。A170は省燃費タイヤが少し力不足。でもパワーには文句ないから、A200との差額でタイヤを変えるとか開口部の大きいラメラルーフを付けるとかの楽しみもある。
まあ、大型化といってもまだ全長3.8m級だから、混んだ都会で使いやすいし駐めやすい。そのうえメルセデスには違いないので、ちょっと裕福で進んだセンスもありますの、自己表現には最適だ。
それにしてもメルセデスはおそろしい。新型Aクラスで最大の激戦区Cセグメントを下から攻め、もっと大きな『Bクラス』で上から踏みつけ、大御所VW『ゴルフ』を挟み撃ちにする作戦らしい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★★☆
熊倉重春| モータージャーナリスト
東京・焼け野原の戦後第一期生。25年間クルマ雑誌に勤めて何でもやったので、フリーのジャーナリストになった今でも何でもやる。いや、クルマのことなら何でも首を突っ込みたがる。今最大の関心事はエネルギー問題。