新型『シビック』には、先代モデルに引き続いてハイブリッド車が設定されている。1.3リッターのガソリンエンジンに、モーターアシストという組み合わせは先代と同じように見えるが、大きく進化している。
エンジン部分は低回転、高回転、気筒休止の3段階のバルブ制御を実現した3ステージVTECに採用。エンジンの最高出力は86psから95psまで向上している。
モーターアシストも単体の出力が10kWから15kWにアップし、最大トルクも5.0kgmから、10.5kgmに大幅に向上している。その結果、低速クルーズ時にはモーターだけでの走行も可能となっている。
新型シビックの開発責任者を担当した本田技術研究所 高橋慎一さんは「ホンダのハイブリッドシステムは、主動力はエンジンでモーターは補助動力という考えは新型も同じです。ホンダではハイブリッドをパワートレーンのひとつと考えていますので、新型シビックでも、あえて外観上でハイブリッドの演出をしようとは考えませんでした」と語る。
実際にシビックハイブリッドの外観は1.8リッター車と比べて見ても、ルーフアンテナやホイール、トランクスポイラー程度しか違いがなく、インテリアでもタコメーターにモーターのアシスト&チャージのメーターが追加されるぐらいで、ハイブリッド車を意識させる演出は少ない。
実際に乗ってみても、一般道や高速道路を普通に走る程度なら、1.8リッターエンジン車と遜色ない力強さを披露してくれる。新型になって大きくなったボディを、1.3リッター+アシストモーターで、まかなえるかどうか不安だったが、それは無用だった。
発進時や停止直前に多少違和感が少し残るが、車格並みの動力性能は発揮してくれる。確かにこれぐらい走ってくれれば、ひとつのグレードとして考えても問題ないだろう。(つづく)