スズキは、エンジンピストンの製造工程にPFダイカスト法を導入することで、耐久性、耐熱性を大幅に向上した「スズキ・スーパー・キャストピストン」を開発したと発表した。PFダイカスト法で製造されたピストンを二輪車エンジンで実用化するのは業界初。
従来のダイカスト製法は、鍛造による製法に比べ製造時間は早いものの、材料物性面でバラツキが大きく、含有するガス量が多いことから、熱処理や溶接が不可能で、ピストンなどの機能部品には向かなかった。
これに対して今回開発した技術では、アルミ合金を採用し、耐久性、耐熱性を向上させるとともに、酸素供給装置の追加と二次加圧を採用することで、鋳巣による問題を大幅に改善することに成功、高品質なダイカストピストンを短時間で製造することが可能となった。
ダイカスト法導入によって高品質のピストン生産が、鋳造時間の短縮でコストが従来のものより30%低減できるほか、アルミ合金の使用で軽量で耐久性の高いピストンを実現できる。
同社では、『GSR600』にスーパー・キャストピストンを採用し、来春から欧州を中心に発売する計画だ。