最高速度370km/h、0-100km/h加速4秒、160km/hまでは7秒と、市販のスポーツカーを超える性能を誇る電気自動車『ELIICA』(エリーカ)。このクルマは、慶應義塾大学電気自動車研究室が中心になって研究・開発し、民間企業のバックアップによって完成した産学協同プロジェクトの賜だ。
前回の第38回東京モーターショーに続いての展示だが、今回は展示が1台増えて2台に。しかもナンバー付きである。形は非常にユニークで、タイヤは8つ。「タイヤひとつひとつにモーターがついているんです。そのため走りもスムーズで加速もバツグンですよ」と慶大生。
そして、タイヤを小さくしたことにより、小回りもきき、室内空間も広くとれたという。1回の充電で300km走れ、高スピードを出せるということで、文字通りこれまでの電気自動車にはない性能である。しかも、電気料金が自由化で下がっていることもあり、1km当たり1円で走れるそうだ。
開発期間は実用化を考えてから1年とのことだが、その開発費は2台で5億円。「とにかく電池の値段が高すぎますよ。もっと安くしてもらいたいですね」と慶大生は不満を漏らし、電池の値段に納得がいかない様子。そして、電池がいまの値段だと、仮に市販化できたとしても、クルマの値段は数千万円になってしまうという。
電池メーカーはもっと企業努力をして、値段を半値ぐらいまで下げてほしい……。これが慶大生の願いのようだ。
余談だが、慶応大学のブースのコンパニオンは慶大生とのことである。