■後が続かないITS(高度道路交通システム)に携わる関係者の間で「このままで大丈夫か!?」という声が出ている。昨年秋に名古屋で開かれたITS世界会議は、まずまずの成功を収めたものの、その後が続かないというのだ。産業界では、10年1日のごとくインフラ(=公共事業)に期待をかける声が日増しに強くなり、自動車や電機メーカーはいっこうに盛り上がらないITS市場に距離を置き始めた。「2015年までの市場規模は約60兆円」(総務省電気通信技術審議会、99年予測)、「2018年までの累計市場は108兆円」(富士キメラ総研、99年予測)……。官民で描いたバラ色のITS市場予測はなぜ色あせたのか、これからの市場成長には何が必要か。ITS取材に総力をあげる編集部が、現状を切る!■後が続かない■で、渋滞は解消したの?---わかりにくい効果■原因を検証---結局は公共事業だった!?■縄張り意識は相変わらず、悪いのは役所だけではない■民間も世界観の違いに四苦八苦■これからどうする?■ITSはクルマ社会だけのプロジェクトではない!