従来の『セビル』のモデルチェンジ版、FFからFRになってスポーティな走りを訴求したのが特徴。2995mmというロングホイールベースを持つが、全幅は逆に従来のセビルからは50mm狭くなっている(1845mm)。いかにもFRらしいディメンションだ。
エンジンは4.6リッターV8と3.6リッターV6の2機種だが、前者には4WDも用意される。走りはアメ車というよりも欧州車らしくなっており、従来型ほど足まわりを硬くしなくても良好なハンドリングが得られるために、硬めのなかにも比較的ユッタリとした乗り心地になっている。
ハンドリングは素直で高い旋回力を持ち、ステアリングのインフォメーションもしっかりしている。電子制御でダンパーの硬さを変えるスポーツモードを選択するとピッチングが強くなる反面、ロールは確かに少なくなる。
V8エンジンはアメリカンフィーリングのユッタリしたもので、これぞ『STS』のキャラクターに好ましい。
■5つ星評価
パッケージング:★★★☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★☆☆
オススメ度:★★★☆☆
日下部保雄|モータージャーナリスト
1949年東京生まれ。車に囲まれた生活環境だったせいか、ついに仕事になってしまった。走らせるのが好きでモータースポーツからジャーナリズムの世界に入り、日本や世界のレース、ラリーに参加してきた。これからも出場するつもりだ。