マスプロ戦略全盛の今の時代にあって「ひと月に日本で500台、アメリカで1500台の合計2000台が売れれば、ペイできる」というマーケティングは注目に値する。
が、それはともかく到底“オーバー500万円カー”には見えない『インスパイア』のお兄ちゃん(?)のようなスタイリングはちょっと期待はずれ。
長大なオーバーハングは「5年前に出ても古臭い」という印象。『アコード』以来、ホンダセダンのデザインはどうも魅力に欠ける…。
乗れば確かに自在なハンドリング感覚が新鮮。ライントレース能力は抜群に高く、このままアウトバーンに持って行っても問題なく通用しそう。
ただし、オーバー300ps級パワーをFFベースのシャシーに載せるためにはまずは4WD化からスタートしないと、というのはアウディと同様の悩みのポイントであるはず。そうした重量的なハンディキャップを背負うゆえか、自慢の“300ps”パワーも今ひとつ、そのパンチ力を実感しがたい。
■5つ星評価
パッケージング:★★☆☆☆
インテリア/居住性:★★★☆☆
パワーソース:★★★☆☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★☆☆☆
河村康彦|モータージャーナリスト
1985年よりフリーランス活動を開始。自動車専門誌を中心に健筆を振るっているモータージャーナリスト。愛猫家なのに猫アレルギーが発症し、このところ辛い毎日……