【メルセデスベンツ Aクラス海外試乗】その2 新技術導入で磨かれた走り…河口まなぶ

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先代『Aクラス』最大の特徴は、非常にユニークなパッケージだったが、2代目も基本的にそれを継承する。つまりエンジンを約60度も傾けて搭載し、衝突時にボディ下に滑り込む仕組みや、サンドイッチコンセプトと呼ばれる二重構造のフロアなどが踏襲される。そしてこの辺りはとくに、気合いが感じられる部分。先代で構築したコンセプトが、いかに優れたものであるかを静かに、しかし強く主張しているように思えた。

メカニズム的なトピックとしては、ドライブトレーンにおいて、メルセデス・ベンツ初のCVTであるオートトロニックを採用したこと。これはメルセデス内で開発・製造されるものだという。またフロントのダンパーには、ビルシュタイン社と共同開発したSDD(ストローク・ディペンデント・ダンピング)と呼ばれる可変ダンパーを備える。

さらにハイライトはリアのサスペンション。大きな弓形のアクスルを持ち、これを巨大なブッシュを用いて弓の中央をリジッドにボディへと締結。さらに弓に対する弦の如く、ハブなどが備わるアクスル左右端からリンクが伸び、これらを中央に固定されたワッツ式リンクで受け止める仕組みだ。「その結果ロールセンターが低い位置に設定でき、縦方向の入力に効くため、つねに快適性と安定性が保たれる」とエンジニア氏は力説する。最近のリアサスペンションとしては例のない、とてもユニークなこの形式を開発するためにエンジニア氏は「会社のアーカイブからかなり昔に用いたワッツリンクの資料を探し、参考にした」という。

結果、走りは見た目以上のクオリティを得た。まず乗り心地がじつに素晴らしく、石畳路面を感じさせない。これはSDDの効果だ。そして街なかに繰り出すと、じつに高いドライバビリティをドライブトレーンを通して感じる。CVTは初モノだが違和感はいっさいなく、伸びやかな加速を存分に提供してくれたのだった。

そのまま高速道路へ。速度が上がるに連れフラットさが増すようすは、まさにメルセデス・ベンツならでは。ロールもじつにしっとりしており、頼もしい乗り味や走りを提供するのだ。キープコンセプトだがすべてが新しい2代目Aクラスは、まさに言葉通り100%のリアル・メルセデスだった。そしてこれは当然、欧州コンパクトクラスにおいて頂点に立つことをも意味しているのである。

《河口まなぶ》

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