「テスト開始、1分前!」。シーンと静まり返った巨大な空間(容積は東京ドーム同等)に女性のアナウンスが響き渡った。最終秒読み5、4、3、2、1……。シュルシュルシュルシュルという金属音。
ガイドレールを作動させるワイアー音だろうか? と思っていると、場内右側からシルバーカラーの新型『レジェンド』、同時に左側からイエローカラーの『ライフ』が登場。およそ2秒後、ズドゥット! という鈍い衝撃音。50km/h同士の2車が、50%の前面オフセットで衝突したのだ。
しばらくあって、衝突実験を終えた2車を間近で見た。ライフの車体重量は1トン、対するレジェンドは1.9トン。そのため、見た目のボディダメージはレジェンドのほうが軽い。ライフはボンネット部分の絶対変形量がレジェンドより大きいが、車内への影響はほとんど見受けられない。これぞ、コンパティビリティ技術の威力だ。
ホンダはこれを、ACE(アドバンスド・コンパティビリティ・エンジニアリング)ボディと称する。特に、「すれ違い防止ロアメンバー」の効果が大きいという。(ホンダミーティング、24−26日)