『ムラーノ』が北米市場をターゲットに投入されたのは2002年11月のこと。北米市場といえば、今や世界の主要メーカーがタフさだけでなく、高級感やレベルの高い走りをも兼ね備えたSUV、つまりクロスオーバーSUVを投入し、活況を呈しているのだが、ムラーノもその1台ということになる。
そのコンセプトは「SUVのタフなイメージに加えて、スポーツセダンのテイストをプラスする」というもの。じつに日産らしい味付けだけが、それまでの日産のラインナップにはこのジャンルのモデルがなかったことも登場の理由となっていて、新鮮なイメージも受ける。
並みいるライバルのなか、販売的にも人気が高く、好調な売上を記録。登場以来、月販4500〜6000台で推移しているというから、文句ナシのヒット作だ。
前回の東京モーターショーにも北米仕様を参考出品していたので、実車を目にした人もいるかもしれないが、やはりその最大の魅力はデザインだ。まさにコンセプトカーをそのまま市販モデルにしたかのような、塊感を強調したスタイルは、やはりアメリカ人好みなのだろう。
日産自動車商品企画本部の三木啓司氏によれば、「独得のスタイルはただ個性的に映るだけでなく、安心感も同時に得られるようで、比較的女性の人気が高いです」とのこと。実際に販売データによれば、男女比率は45対55で、女性のほうが多いというのも意外な事実である。(つづく)