まず乗ったのは話題の1リッターエンジン搭載モデルだ。このエンジンはパッソ&ブーンの最大のウリで、1リッターとしてはひさびさの3気筒。ダイハツいわく「3気筒の低速トルクと4気筒の高回転の伸びを両立させた」ということで、ダイハツの軽3気筒技術とトヨタの直4技術の結晶ともいえる。
実際、スペックはスゴく、1リッタークラスで世界最軽量。なんと従来型より約20%も軽い。技術的ポイントは3気筒化による小型化とシリンダーのアルミ化、ヘッドカバー、スロットルにナイロン樹脂というハイテク素材を使った点にある。また、クランクシャフトは1気筒ごとにバランスを取ってあり、バランサーシャフトはいっさい使ってない。結果、排ガスは4つ星のクリーンさで、10・15モード燃費は軽自動車並みのリッターあたり21km。振動も従来より大幅に少ないっていうから驚き。やるな〜。
で、実際どうか。結果からいうと大変よくできてます。とくに低中回転域での力強さは4気筒以上! 6000rpmまできっちり吹け、「性能は4気筒並み」ってのにもうなづける。
ただね。若干、アイドリング振動がデカいんだよね。3気筒特有の不規則さが残ってる。気にしない人は気にしないレベルではあるが。
それより驚いたのはクルマ全体のダイハツ臭のなさだ。もはや全域でトヨタ車してます。まずスタイルは、プリウスをも思わせる落ち着いたフロントマスクに、トヨタの『WiLLサイファ』っぽい、ややオモチャ的なリアセクションの組み合わせ。ある意味、『スマート・フォアトゥ』を思わせるリアでもある。
なによりインテリアだ。一部のプラスチックに安っぽい部分が見えるものの、おしなべてうまくまとまっている! 一番目に付くパネルには麻布っぽい模様が付けてあって、それなりの品質だし、ポイントポイントに上手にシルバー塗装がしてある。このあたり、トヨタの入れ知恵感じますなぁ。(つづく)