【暴走羽田空港】被疑者死亡のまま書類送検へ

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警視庁は19日、4月下旬に東京都大田区内の東京国際空港(羽田空港)で、制限エリア内にクルマで侵入し、滑走路などを暴走したとして32歳の男を被疑者死亡のまま、航空法違反、威力業務妨害、強盗の各容疑で書類送検した。

警視庁・捜査1課によると、この事件は今年4月28日の午後7時10分ごろから断続的に発生している。容疑者の男は羽田空港の東貨物ターミナル地区付近でクルマを強奪し、約2.5km離れた国際線ターミナル付近まで進行。居合わせた警察官の制止を無視し、工事中のフェンスに数回クルマを衝突させて破壊し、そのまま空港の制限エリア内に侵入した。

男はその後、リムジンバスや空港の管理車両などを次々に強奪。航空機の着陸が相次ぐC滑走路をクルマで横断するなど、約30分間に渡って暴走。最終的には海沿いのフェンスを乗り越え、東京湾に飛び込んだところを発見された。

男は海に浮いた状態で発見されており、収容先の病院で3時間後に死亡した。後の調べで尿から覚せい剤の成分が検出されている。

警察ではクルマを強奪した際の言動などから、男が事件当時に覚せい剤中毒の症状で幻覚を見るような状態に陥り、誰かに追いかけられているという妄想にとらわれていた可能性が高いと断定した。

また、それが男を犯行に走らせる原因のひとつになったようだとして、男を航空法違反、威力業務妨害、強盗の各容疑で被疑者死亡のまま送検した。

この事件では警察と国土交通省の連携の悪さもクローズアップされることになった。両者では事件後に協議を重ね、緊急時には警察と空港当局の幹部をホットラインで結んで素早く連絡を取ることや、犯人を追跡している場合には警察官が空港内の制限エリアに事前の許可が無くても立ち入ることができる体制をつくるなど、いくつかの具体策がまとめられている。

《石田真一》

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