スバル『R2』のフロントロアアームには“Lアーム”が採用されている。同じGMグループとなったスズキが『ワゴンR』を発売した際、シャシー設計担当者が「ワゴンRと、スバルの新軽自動車はロアアームが共通となる」と説明していたが、それが現実となった。
しかし、厳密に言うと「共通」ではないらしい。R2の車体設計を担当した桜井信也主査は「共通ではなく、共同開発したLアームを採用したと言った方が正しい」という。
「Lアームは両社で共同開発を行ったことは事実ですが、部品の製造を行っている会社も全く違いますし、名称こそ一緒ではありますが全く同一の部品ではありません」
「基本設計は一緒ですが、それぞれのメーカーがクルマの持ち味に合わせた改良を施すことも前提となっています。このR2でもそれは行われておりますし、ワゴンRも改良を施していると思います」と説明する。
ロアアームは基幹部品のひとつだが、クルマの性格を決めるパーツでもある。だからこそ、互いのクルマが表現したいと思っている性格を出すためには、全く同一であることが許されないようだ。
また「部品の共通化によるコスト低減」というアピールはスズキの方が強いが、これについても桜井主査は「部品共通化によるコスト低減より、他の部分でもコスト低減を頑張っているので、それが全てではない」と淡々と語っている。