フォード欧州の社長を8月に辞めたマーチン・リーチ氏が、フォードを訴えていたことがわかった。同氏は、18日に、米ミシガン州の裁判所に訴状を提出した。フォードに対して、6000万ユーロ(77億円)の損害賠償を求めている。
リーチ氏の訴えによると、フォードは、フォード欧州の社長を務めていた同氏を追い出そうとした。さらに、退職後にフィアット・オートの社長に就任しようとしたのを妨害したという。
同氏は、フォード欧州社長を務めていた時に、重要な会議から閉め出されるなどの嫌がらせを受けたという。そこで退職を受け入れる条件として、退職後9カ月間はライバル会社への転職を禁止する条項を取り消すことを、フォードの人事担当者と約束した。しかしその約束を反故にされ、フィアット・オートへの転職を邪魔されたという。
フィアット・オートの社長になれば、5年間の給料とボーナスあわせて2000万ユーロ(26億円)が得られるはずだった。そこで、慰謝料もあわせて、6000万ユーロ(77億円)という巨額の損害賠償を求めることになった。フォードの混乱ぶりが、かいま見える事態といえよう。