「多人数乗用車」として登場し、ミニバンという新しいカテゴリーを創り出した。そんな『オデッセイ』が次に目指したのは、3つの「低」がもたらす、ミニバンでは達成し得ないレベルを実現する「パッケージング・イノベーション」だった。
「ミニバンが世の中に普及し、オデッセイにも競合車が増えました。商品企画の段階から様々な検討がされましたが、考え方としては『多人数乗用車をつきつめよう』というものでした。セダンにいろいろな種類があるように、ミニバンにも新しいジャンルを作ってやろうと思いました」と、高山文仁チーフデザイナーは振り返る。
「まず低重心にすることによって走りに安定感が生まれます。立体駐車場に入るというメリットを重視し、1550mmを目安に全高を落としました。しかし低全高化して狭くなったのでは何の意味もありません。そこで低床プラットフォームにより、先代よりも広い室内を実現させました。低全高を生かし、キャビンと下半身を分けた新・乗用車スタイリングで個性を主張します」と続ける。
クルマ選びの選択肢を増やすため、東京モーターショーに出品される『ASM』との差別化をはかったという新型オデッセイ。車種が増え、どうしても似たようなクルマが多くなる中、明確なコンセプトの違いを見せつけた。マーケットの反応が楽しみな1台である。