ロンドン渋滞料金の「成功」と「誤算」

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ロンドン渋滞料金の「成功」と「誤算」
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今年2月より、英国ロンドンの中心部で導入された渋滞料金(Congestion Charge)制度は、予想を上回る効果を発揮したために、さまざまな功罪を生み出している。

ロンドン中心部の交通量は、渋滞課金実施前と比べて40%も減少。その一方、ロンドンを走るバス全体で、1日あたり540万人の乗客を運んでおり、これは1969年以来の最高値となった。自家用車から、バスなどの公共交通機関に切り替えてもらう、という当初の目標は達成できた。

その一方で、誤算もあった。渋滞課金を払わなかったために、罰金となった人の数が、7月中旬には、10万人を超えた。手続きの不便さなどドライバーからの苦情も多いようで、これを改善するために、ロンドン市は、渋滞課金制度の運用委託先であるCapitaという会社に、3100万ポンド(62億円)を追加支出することになった。

また、予想を上回る交通量の落ち込みで、あてにしていた税収がえられなくなったため、今年10月から行うはずの新しいバイパス道路の建設や環状線の整備なども、来年度にずれ込むことになった。課金ゾーンを拡大する案も浮上しているが、まだまだ解決すべき問題は多いようだ。

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