「インターネットITS」が目指しているのはHDDカーナビ機能の拡張版ではなく、実際にはもっと複雑なシステムを目指している。自動車メーカーとしての狙いはファイルサーバーへクルマに関する様々なデータを蓄積することにあるようだ。
現在はカーナビ機能や、車上で使うアプリケーションばかりクローズアップされがちだが、クルマの中に高機能なパソコンを持ち込むことで、これよりも柔軟なデータ管理ができるようになるとトヨタの関係者は語る。
将来的にはECUとサーバーを汎用性の高いラインで直結し、エンジンマネジメントなどをサーバー経由で行なえるようにする狙いがある。この場合、燃費の実データはもちろん、エンジンの回転数やアクセル開度などを具体的に記録できるようになる。言うなればDOS/Vパソコンをそのまま積み込んだ状態となるわけだから、レーシングコンピューターとは比較にならない量のサンプルを集めることも可能だ。
運送会社などの事業者では、こうしたデータをクルマからダウンロードすることで運行管理に役立てることができるだろう。業務用のパソコンと親和性が高いというより、パソコンそのもののデータなのだから二次利用も簡単。現在はこうしたアプリケーションを開発する協力会社を募集している段階だという。