2003年6月、トヨタはカリフォルニア州で「サイオン」ブランド車の販売を開始する。サイオンは、「トヨタ」「レクサス」につづく第3のブランド。ターゲットはズバリ、若者だ。専門ディーラーは持たず、トヨタ系から販売する。
まずは日本市場のトヨタ『bB』のサイオン・バージョンを投入し、その後にコンセプトカー『ccX』のイメージを受け継ぐクーペ・スタイルの車種を追加する予定。最終的にはアメリカで企画したサイオン用モデルの開発も行う。
「若者層をどう取り込むか」は、自動車メーカー各社に共通したテーマであり、日本ではその一環として「WiLL」ブランドが生まれた。アメリカにおけるサイオンの位置付けは、日本での「WiLL」に似ている。トヨタ・ブランドを全面に打ち出さず、まったく新しいブランドを訴求するのだ。しかし、販売はトヨタ・チャンネルで行う。車種は「比較的低価格でコンパクトなモデル」とし、デザインやキャラクターはトヨタ・ブランドとは明確に分ける。
この「サイオン版bB」は『bbX』と名付けられているが、スタイルは日本でお馴染みのbBをドレスアップしたものだ。それでも、フロントグリルにサイオンのエンブレムが入る姿が、bBとは微妙に違う。実際のブランド展開までにはまだ時間があるが、その間、どのような「煮詰め」作業が行われるのだろうか。