気になるニュース・気になる内幕——今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2001年11月20日付
●日産の9月中間決算、売上高1.4%減少、利益は円安で最高(朝日・8面)
●自動車決算、円安効果、トヨタ、ホンダ、日産税引き後利益最高(読売・8面)
●ホンダ、軽乗用車「ライフ」特別仕様車発売(読売・11面)
●小泉首相、高速道に固定資産税を検討、一括民営化視野に(産経・1面)
●トヨタ、ホンダ2強鮮明、コスト削減に販売も好調(産経・9面)
●ロルフ・エクロート三菱自動車副社長に聞く「技術偏重体質改める」(毎日・8面)
●日本勢、ビッグ3と最終損益で9年ぶりに逆転(日経・3面)
ひとくちコメント
税引き後利益が過去最高を記録した日産自動車の発表を最後に、日本の自動車大手5社の9月中間決算が出そろった。「売上高1.4%減少」という冷静な見出しで日産だけの決算数字を掲載した朝日を除いて、きょうの各紙が、連結業績を一覧表にまとめながら、その分析記事を大きく取り上げている。
このところ、経済面に載る記事が「経営破綻」とか、「赤字転落」といった暗いニュースが多かっただけに、「最高益」とか「好調」という明るいタイトルが紙面を飾るのは久しぶりのことである。だが、各紙とも記事の最後は「米国需要の減少懸念や国内販売の息切れなど不透明要因は多い」(日経)とか、「各社とも通期では厳しい見方を崩していない」(産経)などと結んでいる。
日産の最高益も売上高が減少しているのに、コスト削減と円安効果に助けられた。為替や株価変動で一喜一憂する金融・証券などの業界ならともかく、「モノづくり」の本質は、高品質の商品を顧客に満足してもらえるような価格で販売し、得られた儲けが真の利益ではないのか。