日本ではフォルクスワーゲンと分かれ、独自の活動をはじめたアウディジャパンだが、アウディの対日戦略の再構築はいまだに険しい道のりの真っ只中だ。
フォルクスワーゲンとの併売をやめ、アウディ専売にした結果、販売店の数は全国で約60店舗ほどにまで減少。販売台数は今年1〜9月までで約5700台、月平均約630台と低迷している。東京モーターショー会場では「アウディの良さを理解してもらえるお客様に絞り込んでブランドイメージを高めていく」(アウディジャパン関係者)とPRにいそしんでいる。
大パワーエンジンを搭載したSシリーズを展示するなど、プレミアム性をアピールしているが、本家フォルクスワーゲンが日本で販売台数を急速に伸ばしているのに比べて、歩みのあまりの遅さは否めない。実際、アウディジャパンでも「将来の目標台数をどうこういう段階ではない」と、将来的にどのくらい売れるようになるか値踏みしかねている。
また価格政策も遅れており、1台あたりの利益幅重視の方針は、基本的に変わっていない模様だ。モーターショー会場でのアウディのブース面積はかなり広いが、販売台数もそれに見合ったものにできるかどうかが注目される。