『ランクス/アレックス』は、『カローラ』同様、フォルクスワーゲン(VW)『ゴルフ』やオペル『アストラ』を仮想敵として開発されたという。ということは、このクルマがそのまま欧州『カローラ』として販売されるのだろうか?
「もちろん、ヨーロッパでも販売する方針です。ただ、基本的な骨格やエンジンはそのままですが、スタイリングについては、現地のニーズに合わせた変更はあるでしょう」と、吉田健・チーフエンジニアは語る。フランス工場で現地生産をするかどうかについては、「現在検討中」とのことである。
「いずれにしても、このクルマは我われにとって、ヨーロッパ市場をメインとする世界戦略車なんです」と吉田チーフエンジニア。「ですから、これまでのクルマは『ヨーロッパ車に追い着く』ことが目標でしたが、『ランクス/アレックス』は『ヨーロッパ車に勝つ!』クルマなんですね」という。
「つまり、走りにおいては欧州のライバルに匹敵する水準を達成し、さらに品質や静粛性といった、日本車の得意分野においてはライバルを超えている、ということです」と吉田さんは言う。
ちなみに現地での価格は「『ゴルフ』などとほぼ同じになるでしょう」とのこと。販売台数については、「これまでトヨタは、同クラスのクルマをヨーロッパで年間1万台ほど売っており、欧州市場でのシェアが約3%だったけれども、『ランクス/アレックス』の投入などで、今後はヨーロッパでのシェアを5〜8%にまで拡大させたい」と考えているという。なお、ヨーロッパで販売台数の半分を占めるという3ドア仕様も「ヨーロッパ仕様では検討中」とのことである。
また、北米や東南アジア市場での販売については「現時点では、そうした地域はセダンのほうが人気があるが、需要さえ見出せれば検討したい」とのことである。