2代目となる新型アウディ『Q5』を目にした時、エクステリアデザインの安定感に気持ちが吸い寄せられただけではなく、いささか大柄になったなぁという印象を持った。
メルセデス『Sクラス』に乗ったときの衝撃が体から離れなかった。
僕の投票基準はこうだ。
「今年は日産『リーフ』で決まり!」投票前からそう囁かれていたのである。いざ、蓋を開けてみれば圧勝。開票がつづくなか、一度もその座を脅かされることなく、「今年のクルマ」に選ばれた。
もはや立派に市民権を得たSUVなのだが、やや軟弱路線に迎合している感があるのが気になるところ。そんな風潮に喝をいれるかのように、いかにも三菱らしく、クロカン風味を効かせているように映る。
思わずたじろぐほどの色気が漂っている。抑揚の効いたボディラインや、眼光鋭いフロントマスク、そしてセクシーなヒップラインなどなど……。去勢された草食系男子がはびこるこの世の中で、久しぶりに、男性ホルモンを感じさせてくれるクルマだと思った。
いやはや、実に良くまとめあげたクルマだと思う。乗り心地もすこぶる優しいし、それでいてハンドリングはスポーティである。切れ味はそこそこいいのだ。少なくともダルな印象はない。動力性能も高い。
「ホンダ会心の一撃」という気分である。トヨタとハイブリッド攻勢でしのぎを削るホンダが、「スポーツカーで遅れをとりわけにはいくまい!」と鼻息荒く投入したのがこれ。
そもそも世界レベルのパフォーマンスを備えているというのに『GT-R』は、さらに貪欲に速さを求めるという。「スペックV」がそれだ。
スタイリングは確かに先進的な香りのするものだが、けして気負うことなくハイブリッド生活に溶け込めそうな自然体であることがインサイトの特徴だと思う。