豊田通商グループのプラニックが製造するASR(自動車破砕残さ)由来の再生プラスチックが、トヨタ自動車の新型『RAV4』のボディアンダーカバーに採用された。
ASR由来を主とした再生コンパウンドペレット(プラスチックの原料)が、国内のトヨタ車の単一部品に100%使用される初の事例となる。プラニックとしては、2024年7月に発売された「クラウン(スポーツ)」のフロントフェンダシールに次ぐ2例目のトヨタ車への採用だ。
ボディアンダーカバーは、走行中の飛び石や水、泥などから車体を保護するために車両底部に取り付ける大型の部品である。空力性能の向上や燃費改善にも寄与し、耐久性・強度・寸法精度など高い品質が求められる重要な部品だ。
これまで材質ごとの選別が困難なASR由来の廃プラスチックは、単一素材由来の廃プラスチックと異なり、高品質が求められる自動車部品への使用が困難とされてきた。プラニックの高度な選別技術により製造された再生コンパウンドペレットが、トヨタの厳しい品質基準をクリアし、重要な部品の原料として100%採用されたことは、日本のCar to Carリサイクルにおける大きな節目となる。
現在、欧州連合(EU)では、新車に使用するプラスチックの一部を廃車由来と規制「ELV規則案」が議論されている。日本でも同様の議論が始まるなど、国内の自動車業界にとっても廃車由来プラスチックの有効活用と各種規制への対応は、今後の重要な課題となる。
豊田通商およびプラニックは、ASR由来プラスチックを活用したCar to Carリサイクルの推進を通じ、サーキュラーエコノミーと自動車業界の持続的な発展に貢献していく。






