物流業のダイセーグループでDXコンサルティングを行うDX研究所は、グループ内で実証・導入を進めてきたAI自動配車・運行管理・データ分析システム「ATMTC(オートマティック)」を外部企業向けに正式リリースした。
ATMTCは、管理者・ドライバー双方が誰でも簡単に利用でき、現場の配車・運行管理・配送報告業務を最適化するAI自動配車・運行管理システム。すでにグループ各社で1000台規模で本番稼働しており、物流会社の現場で改良を重ねながら多面的な効果を実証している。
導入企業の効果例として、配車時間を約80%削減(簡単な自動配車操作)、ドライバーの労働時間を約10%削減(拘束時間の見える化・最短ルートの自動配車)、誤配送を約90%削減(ドライバーアプリのGPS連動で誤配送を防止)、顧客満足度95%以上(リアルタイムで配車状況がわかり、顧客からの問合せに即座に対応)などの成果が出ている。
ATMTCは、配車・運行管理・分析を一元化したクラウド型の物流管理システムである。AI最適化と現場データの統合により、物流現場の判断を自動化・可視化する。
主な機能は、AI自動配車(車両台数・積載量・時間指定等を考慮し、最適配車を自動算出)、リアルタイム運行管理(全車両の現在位置と配送状況を可視化)、ドライバー専用アプリ(日報や到着報告がアプリで完結。GPS連動で誤配送を防ぐ)、帳票・レポート出力(運行関連レポートや拘束時間表・配送実績表などを出力)となっている。
物流業界では、2024年問題を背景にドライバーの労働時間制約が強化され、効率的な配車・運行計画の立案が急務となっている。こうした環境下で、ダイセーグループではAIを活用した自動配車アルゴリズムとリアルタイムデータ連携基盤を独自開発。複数拠点・複数車両の同時最適化を実現し、現場負荷の軽減と経営可視化を両立する仕組みとしてATMTCを開発した。
今後は、外部物流企業への導入支援を進めるとともに、API連携による他システム統合や、配車・運行実績データの分析・KPI可視化機能を順次拡充予定である。また、AIモデルの継続的なチューニングとバージョンアップにより、自動配車精度のさらなる向上と最適運行を目指す。





